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愛…しりそめし頃に… 1巻 / 藤子不二雄A

利用している電子書籍端末「Sony Reader」にて、藤子不二雄の自伝的漫画「まんが道」の続編、藤子不二雄Aの「愛…しりそめし頃に…」の1巻が期間限定で無料配信されていたので早速ダウンロード。

 

「まんが道」はデビュー前の藤子不二雄お二人の出会いからはじまり、あの有名な「トキワ荘」での漫画家としての生活が描かれているのですね。

 

かなり昔、「まんが道」(中公文庫版 全14巻)は読んだのですが、どのエピソードも非常に面白い!

 

その中で個人的に一番印象に残っているが漫画原稿を落とすエピソード。
漫画の依頼が増えて、漫画家生活が順調になってきたところで大量に原稿を落としてしまうのですよ。

 

編集部から「ハヤクオクレ」などの電報が沢山来るけれど、その内その電報も来なくなるシーンには、ギニヤ!(藤子A作品での悲鳴の言葉)を何度も叫びつつ読む羽目になりましたヨ(今、そのシーンを思い出しても心臓が痛くなる…)。

 

あと、デビュー前の藤子・F・不二雄が、就職した製菓会社を一日で退社してしまうエピソードも印象的。

 

その後は自宅にて漫画を描く毎日だったそうですが、相方の藤子不二雄Aといえば、その間、富山の新聞社で働いていたのですね。

 

「まんが道」自体、藤子不二雄A視点でのお話なので、その時の藤子・F・不二雄がどのような気持ちであったのか描かれていないけれど、その頃の漫画の状況、戦後の富山ということを考えても、まわりからは愉快ではないことを言われたのでは…?と、想像してしまうのですよ。

 

漫画家になってから、その時の恨み節みたいなものが作品に出てしまっているお話があっても良い気もするのですが、藤子・F・不二雄の描かれた漫画を読んでも、そのようなものは全くないのですよね。

 

それに単純な想像として、普通に働いている藤子不二雄Aに対して焦る気持ちもあって、少々理不尽な怒りなどを藤子不二雄Aにぶつけてしまいそうなものだし、逆に藤子・F・不二雄に対して藤子不二雄Aが安易な説教的なものをしてしまいそうなものだけれど、その後の二人の関係をみても、そのようなことはなかったのかな。

 

お二人とも、その時だけの感情を優先することのない頭の良い人なのでしょうね。

 

さてさて、「まんが道」のお話が長くなってしまったけれど、「愛…しりそめし頃に…」では、藤子不二雄Aがモデルの「満賀道雄」の髪形が、坊主から普通に髪の毛がある状態で描かれていました。

 

あと、藤子・F・不二雄モデルの「才野茂」との部屋も別になっていましたヨ。

 

お話自体、「まんが道」に比べて少々アダルトな印象。

 

1巻では「まんが道」と同じに「トキワ荘」でのお話だけれど、巻が進むと「トキワ荘」後のお話になるのかな?